2011年7月19日火曜日

愛すべき先輩

今年初めての夏祭りに行った。
場所は寄島町の「イルカの家」という養護老人施設だ。
ここにはもうかれこれ10年近く行かせて貰っている。

ここの理事長は私の高校時代の一つ先輩である。
私達の高校のクラスは特殊で全寮性だった。
だから同じ処に寝泊りし、同じ釜の飯を食ってきたわけだ。
そのせいか今でも深い繋がりがある。
でこの理事長の事であるが、高校の時からの愛称がある。
顔が漫画の丸出駄目夫に似てる事からみんな「駄目ちゃん」と呼んでいた。
後輩の私達もそう呼んでいてたのだから可笑しなものである。
私達は昼夜一緒にいたのでいろんな話を一杯した。
でこの駄目ちゃんだが、顔に似合わずしっかりした考えを持っていた。
或る時私に「俺は寄島と言う小さな町で町医者をしている親父を尊敬している。今は親父が頑張っているから良いけど親父が動けなくなったら、町の人も困るだろう。俺は医者になって寄島に戻り親父の後を継ぐ。」と言ったのである。
高校の時の話であるから、当然大学医学部に入る前の話である。
その駄目ちゃんが今その時の話を現実にして頑張っている。
それもただの頑張りではなかった。
彼は病院を継ぎ、養護施設を建て、リハビリテーションの学校まで造った。
勿論奥さんを初め、多くの人の支えがあってこそ出来たものであろう。
しかしそれも彼の人柄があってこそだと思う。

私達も毎年ここの夏祭りに呼んで貰っているわけだが、彼が皆さんから信頼され一般的社会評価も高いのがよくわかる。
祭りには国会議員を初め地元名士が並ぶ。
私は人前では彼の事を理事長さんと呼ぶ。
しかし二人になると相変わらす「駄目ちゃん」である。
彼は全く変っていない。

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