2009年6月7日日曜日

講演

今日は森山まり子さんの講演を聴きに行った。
彼女は日本熊森協会の会長さんである。
もともとは小学校、中学校の理科の先生であったが、ある時、兵庫県の月の輪熊が絶滅しそうな事を知る。

いろいろ調べている内に藤沢さんと言う熊の研究者に会う。
ここの話は大変、興味深く聞かさせてもらった。

藤沢さんは処中、奥山に入っていた。
入る度に20頭ぐらいの熊に出くわしたそうな。

で今まで数千頭の熊に会って来たが、一度も熊が襲いかかってくる事はなかったそうである。
本来熊は小さな虫などは食べるが基本的には草食で、臆病で優しい動物らしい。
そう言えば畑正憲さんも熊は優しいんですよと言っていた。

森山さんは、藤沢さんの意思を継ぐ。
自分で熊を守る為の会を立ち上げることを、決意する。
学校でも、退職覚悟で、中学生に熊の実態を教えると、子供達から、熊を絶滅から守ろうという運動が生まれていった。
この動きは大きくなり、県知事や環境省への直訴を繰り返す。
そして天皇陛下に会う機会があり、陳情までに至ったそうな。

直訴、陳情の内容は、それまでは熊は有害獣として殺してもよい事になっていたので、それを止めさせる事だった。

当然、山裾に住む人達、町からは、猛反対を受ける。
しかしながら、わかっている人はわかっていた。
祖先が手付かず守ってきた奥山の自然林が戦後の国土総合開発や拡大造林政策,道路、スキ-場建設などで荒廃した事を。
その為に熊が降りて来た事を。
本来熊と人とは会うことはなかった。

いろんな話を聞く中で、広葉樹と針葉樹の比較が興味深かった。

広葉樹は根の深さが地上に出ている部分の3倍程あり、保水力が非常にある事。
それに比べて杉、桧などの針葉樹の根は非常に浅く、何かあると、すぐ倒れるし保水力もない。

また針葉樹林は中に入ると陽が入らない為、下草もはえず、地面が茶色っぽい色をしてる。
広葉樹林はたくさんの木々や草が共存していて、木々、草達の高さもばらばらで、陽が下まで入って行く。

人もこの広葉樹が蓄え、湧き出た水で生きて行くことができる。
針葉樹ばかりだと、保水力が無い為,川の水も少なくなる。

熊による奥山の自然的原生林への働きは
熊は広葉樹の森を歩き回ったり木に登ったりする事で、下草を抑えたり、人間がする枝打ちをして、太陽の光が森の中まで入るようにしている。

今日本熊森協会では、奥山の頂上付近にかろうじて、残っている原生的自然林を拡げる仕事をされている。
また針葉樹の中にも、広葉樹を植える運動をされているらしい。

こんな処が今日の講演の主旨だったように思う。

今日は今日で、知らなかった事を多く教えて頂いた。
考えさせられる1日だった。

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